タイトル「将来の夢」

 

真夜中のベランダは海の底

空を泳ぐ魚に焦がれているくせ

指をくわえて羨ましがるだけ

手すりにざらりと残る塩も

声を揃えて笑います

 

せーの、で笑おう は、は、は

 

行き場のない感情が身体に停滞

[破裂したら自由になることができます]

美しい風船よろしく完成されちゃったわたし

空にかざして絶妙シャッター

切れたらいんすたアップ

破裂して君の目の前から

瞬いて消えたい彗星の如く

 

まどろんだひるさがりのごごさんじ

わたしと酷似しているから彗星とは程遠い

指先ではじきだしたいしたいしたい

そうしたらりんご飴も卒業して

君の隣を歩けるでしょうか

時計の針がまわりすぎている世界だよ

日々生きづらさを更新してめくるページ

明日は何を読みましょう

綺麗な硝子細工のように

可愛いマスコットのように

その程度の貴方だから愛してやみません

手を替え品を替え言葉を尽くしたわたしに

残るのはなにもかもなくしたわたしだと

気づいた時には真っ黒な空洞が

埋め尽くしているのです

空洞なのに埋め尽くすという言葉

使うのは変ですか?

 

ぬるい空気に包まれて

いつまでもこの場にとどまっていたかった

「この場」が変化していること、

気づいてないと嘘をついたので

泥棒稼業のスタート宜しく

お気に入りの手ぬぐいでも被れば「完璧〜!」

 今世の続きは美しいものだけ盗んで敷き詰めて

あっという間に駆け抜けてパタンと終わることにする。