ひびずれてゆく痛みについて

 

どこを見渡してもチープな言葉ばかり

辟易としてしまうなあ世界

丁寧にざっくばらんに巻かれた毛先5センチの

傷んだ髪の毛みたいなものだ、いまのわたし

それかまふゆだからと剥げかけ爪先のネイル

を、見えないんだからと切り捨てた

切り捨てられたものたちを

ひとつひとつ顕微鏡で覗き込んだら

きっとわたしと同じ色をしている

 

曖昧でけれど確かに生まれてしまった

ひびやずれをどうにかないことにしてしまいたかった

もとより存在しないことにして

もとより続く美しく傷ひとつない関係を

永遠にひきのばしていたかった

 

夜は孤独の匂いがする

静かでさみしくていい匂いがする

君のぞんざいな(わたしにとっての)

言葉が入る隙など1ミリもない

 

サブカルチャーが滅んだって」「今はエモーショナルでしょう」「次はハリケーンとかがいいなあ」

 

いつまでも形のないものに翻弄されている

そこに魂が宿ると信じている

でもそれと魂のずれは

わたしには見えない

貴方にも気づかないとしたら

 

僕らの運命的すれ違いは、

神さましかしらない。