希望的な詩

  確かに自分がその場にいたということ
  時間が経つほど信じられなくなっていく
  僕ら人間は忘れっぽくて感傷的で可愛い
  時間は不可逆だから記憶は美しいのだし
  音楽は最高なものになっていくんだよね
  もう遠い日々だって確かに在ってそして
  その中にわたしも確かに在ったのだから
  その事実をたまに思い出すだけで何だか
  生きているような勘違い、もう数十年程
  続けていけるよきっと、人生は夢ばかり
  あ。と口をひらいてる間にいまが秒速で
  流れてゆくから去年のわたしも一昨年の
  わたしも瞬間的な観測で消えていった、
  消えていったあと残るはこうふくのみだ
  かなしいことも笑えてしまうのは冷淡で
  可愛いことだと思いませんか。ぼくらは
  生きていく。ひとまず。とりあえず。