世界詩

 

何もかもを理解する日は来ない

 

雨が降ったり晴れたりして

 

音楽が生まれては消えていく

 

記憶はいくつものエトセトラ

 

結びつかなければゼロに等しい

 

百年後、僕らはもうこの世界にはいない

 

永遠なんてないから愛しい僕らの命

 

美しい何もかもは消えてゆくから美しいのだと

 

気づいて絶望した感情でさえも

 

美しいと思うのです

 

半径何とかキロメートルが

 

僕らの世界の全てだから

 

何もかもが偏った世界の断片だね

 

 

もう戻れない見たこともない過去に

 

エモーショナルを感じながら

 

生きることを考える

 

だって僕たちは生きているから

 

言葉は簡略化する恐ろしいものだと

 

どれだけの人が理解しているのだろう

 

わたしの心の詳細は

 

わたしの中にのみ存在しています

 

あなたの心の詳細は

 

あなたの中にのみ存在している

 

かなしいにも種類があって

 

楽しいにも種類がある

 

それがわからない君と

 

分かり合える日は永遠にこないんだよ

 

 

世界が滅びるかもしれない

 

 

君がこの世界から消えるかもしれない

 

 

わたしがこの世界から消えるかもしれない

 

いくつものかもしれないが

 

この世界を象っている

 

つまりは不安定の上の安定です

 

拝啓 世界という言葉に簡略化された全てに

 

愛を込めて

 

滅びの瞬間を待っている

 

 

五十音の別れの詩

 

会いたくて会えないままで眠れずに

幾度となく寝返りする

後ろめたさが包み込み

エンドロールは終わらない

おかしくって笑っちゃう

 

雷さまがご登場

気分屋だから気をつけて

クラスメイトのざわめきも

結構遠くに聞こえるな

このまま消えてしまうかも

 

さかなだったのわたしたち

知らないでしょう

澄んだ空気の雨の日限定だから

せっかくだから次回はさ

そういう日に待ち合わせしよう?

 

立ちすくんだ時

ちょっとだけ

つまづきながら

手を引いてなんでもない顔をして

途端に安心 好きみたい

 

なんて冗談全部嘘

二度見しないで嘘だって

ぬるい風が頬を撫で

ねむい ねむたい まどろんだ

飲みかけのジュース微炭酸

 

白昼夢です 全てはね

暇つぶしの一つなのよ

ふふ、びっくりしましたか

変な顔してないで

ほら、

 

待たずに置いて行っちゃうよ

ミッドナイトの逢瀬は

無印なのですしっかりと

目をそらさないでいてちょうだい

もうこれで最後だから

 

約束を守れないまま

ゆらゆらと生き延びて

四度目の春

 

ランチはお一人様なのです

立派な大人になったので

ルールもきちんと守れます

礼儀正しく大人しく大人らしくて

論理的

 

わたしは君にさよなら

を、言えないままでお別れね 

ん。

 

 

 

天国で待ち合わせ

 

さみしさを世界中から集めたらきっと素敵な花束ができる

でもさみしさのない世界なんて超退屈だからやめよ 

陽気な貴方は夏なので冬に生きる君は美しい

いつも見えてるわたしがわたしだと思ったら大間違いです

隙間の時間も大切になんて言うから丁寧に暇を潰そうね

ねえ、潰すなんて丁寧じゃなかったかしら

ランドセルを背負っていた頃の

温度が思い出せなくなりました

多分大人になったんだろうといった君の横顔は

まだもう少しだけ少女だったから安心して眠れます

[すいみん]柔らかくて眠たげで意味を帯びているから好き

気軽に好きなんて振りまいていたから

前がわからなくなっちゃった

「ただいま」と「おかえり」

あと何度繰り返すことができますか

髪の毛の先まで込めた思いも毛先が痛んだからおわり

林檎みたいな真っ赤な夕方の空気

何度も吸い込んでいるのに

まだたどり着くことができないみたい

良いことばっかり数えても悲しくなる一方だと気づいたのは 

真夜中と早朝の間の時間でした

たいくつなのは君がそう感じるせいだなんていうから

わたし目がどんどん見えなくなって怖いの

のびきった猫になれたとて来世も君と友達になれないなら

あんまり嬉しくないかもしれないや

約束事が増えたら身動きが取れなくなるよと

教えてくれた貴方と交わす唯一の約束

九時になったらタイムオーバーにしちゃうけど

それでもいいですか

 

雷鳴り響く昼下がりの気分の高揚

海辺でステップをふむ時と似ている

るんるんるんと洒落込んで 

ここらでおいとまいたしましょう

うんと素敵なハッピーが貴方に訪れますように

祈るフリばかりしているから神様に

目を瞑ってもらわなきゃ天国に行けるか不安だけど

 

君が神様になったらノープロブレム

無色透明のロンググッドバイ

いつまでも終わらない終わりの

始まりでしたとさ

 

 

 「ながいしりとり fin.」

 

 

 

 

 

ご機嫌日記

 

待ち合わせは結局一時間半遅れ

 

電車の中で飲んでいたカフェラテが

 

こぼれ て た ぽたり  まる

 

三マス戻って一回休みたい気持ち

 

を、抑えてポケットティッシュ

 

鞄から取り出して

 

「女子力高い〜」

 

なんてふざけた君のセリフがフラッシュバック

 

そんなことより指を絡めて抱きしめられたいのに

 

分からず屋のフリをする君の分からず屋に

 

気づかないフリをするわたしは

 

分からず屋ですかわかってるよごめん

 

本と珈琲と本と本と本を目の前に

 

もくもくもくと並んで読み続けたから

 

君とわたしは気があうんだと思う

 

適当なんかじゃないよ多分おそらくメイビー

 

本屋さんを探していたら飛行機の滑走路みたいなとこに

 

たどり着いてしまった、のでわたし走りましたぴゅーん

 

急な方向転換が得意なので地下一階でプリクラ撮影

 

コイン二枚ずつで完成する

 

インスタントかわいい #アオハル

 

タイミングよし子ちゃんな僕らなので

 

するりとおしゃれなバーへたどり着いた

 

帰り道雨が降って寒かったので

 

#アメハレ(テホシイ)

 

ご機嫌であったかい気持ちが

 

〇・五秒で冷やされたので

 

寄り道 道草 散歩道

 

カランカランとハシゴして

 

本と煙草とお酒だなんて

 

不良娘に育ちました

 

終電車に君がいるわけもなく

 

インスタグラムで寒さを共有

 

コンビニのお兄さんは今日も

 

かっこよかったのでいい夢が見れそう

 

 いくつもの眠れない夜におやすみ

 

 ご機嫌でハッピーな一日、これにておしまい。

 

 

#tanka

 

唇の色は紅葉か愛情か嘘か、

どれだと君は思う?

 

売ります!

「冷え込んで吐く息も白む

長夜を過ごす100の方法」

 

ちょいとそこ、通りがかったお嬢さん

「いしや〜きいも♪」おひとついかが?

 

さみしさに負ける女は好きじゃない

けれどさみしくなったらおいで

 

踏み潰された銀杏の実みたいな気持ちよ

ちょっと話聞いてる?

 

【報告書】

ただいま追跡中だった

秋の風を見失って、冬。

 

生まれ変わったら

伸びきったねこになりたい

もしもだよ

もしもの話

 

冷たい空気に溶けたっぽい

感覚のない手と足と鼻と耳たち

 

いつのまにやら都合のいい女です

自販機くらいの愛は頂戴

 

外の世界と遮断した唇で

好きと言っても伝わらないのね

 

熱い缶コーヒーよりも熱い

貴方の頰にキスする五秒前

贈るばかりのサンタクロースのために

あたたかいココアいれて眠る

 

午後三時 六十秒だけ降る雨が

チョコレイトなら僕らしあわせ

 

里帰りみたいな気持ちでいられては

困るの あたし ままじゃないのよ

 

まふゆに迷子になる手袋たちを

拾って返す仕事がしたい

 

寒さにてカチコチのわたしの手より

冷たく紅い貴方の鼻先

 

何もかもなくした気持ち

手のひらサイズの端末無くしただけで

 

夜の公園にて今宵上映です!

「流星群」のはじまりはじまり〜

 

音のない夜がいくつもありまして

今年も年の瀬 ご機嫌いかが?

 

まどろんで起きたらこんな時間です

ちょっくら一杯ひっかけません?

 

クリスマスイブのインスタ、東京に

爆弾用意、爆撃開始

 

わたしたち かわいいに取り憑かれてる

おばけだ 自撮りをしながら思う

 

真夜中に何処にでもいける気がしてた

東京よりも此処は静か

 

慎重に塗った爪などつゆ知らず

午前三時に指を絡める

 

秘めたまま朽ちゆく恋心を

右手に握りしめゆっくりひらく

 

愛のようなナニカを

東京のビル群の海の底で探す夜

 

本年は大変お世話になりまして

みなさまハッピーなニューイヤーを。

 

二〇一九年も二日目にして

心新たに変わらぬ生活

 

さみしさが蔓延してるワンルーム

息が吸えない おそらく宇宙

 

こちら火曜部隊

上手に息継ぎが

出来ないままで

夜は更けゆく

 

星になることもできずに本日も

ベッドでまるく眠りに落ちる

 

きみのオリオン座になりたい

いつだってすぐに見つけてもらえるように

 

輪郭が泡になって消えてった

人魚の恋 海は涙味

 

時計の針が動くたび

君との距離が離れてく錯覚、深夜

 

「俺、卵焼きはしょっぱい派なんだ」

と君が呟き始まる戦争

 

ペン先の〇.五ミリくらいはさ

好きって言葉信じれるかな

 

「とけるほどの熱い空気が恋しい」

と君が言うから冬は盛り

 

拾えずに波にさらわれた貝殻のようだ

わたしにとって君は。

 

散った瞬間に見向きもしなくなるような

貴方であればよかった

 

 

 

 

 

目を通して頂き誠に有難うございます

また、何処かで。

 

special thanks: なっと

 

 

 

 

師走の詩

 

真夜中に煙草に火をつける

 

吐き出した煙がいつまでも白いから、冬

 

ロマンチックなフィクションがあふれるこの世界

 

に、ロマンチックは一つもありません

 

わかりやすいものばかり求めては

 

どんどん鈍っていく君はかわいい

 

煙は貴方の記憶をみせるけど

 

貴方の世界にわたしはいない

 

いっそ亡霊にでもなったら諦めもつくかしら

 

楽しそうな貴方の隣で息を潜めて

 

あれ、

 

すでに亡霊みたいだね?

 

言葉を交わしあっても意味はないよ知ってる

 

ないものねだりばかりだから

 

いつまでもいい子になれない

 

いい子にならなきゃサンタさんはこないので

 

クリスマスはかなしいなあ

 

欲しいものはないけれど

 

「しいて言うなら君かな」

 

なんて挑戦的なセリフ

 

言えないから可愛いでしょ?ほめて

 

甘やかされて綿菓子みたいな空間で

 

生きていけたらなあ

 

鳥になったらハッピーに飛べますか

 

僕らはいつでもハッピーを探しているわけだけれど

 

「見つけた?」「まだだよ」

「あっちには?」「なかったねえ」

 

情報交換と洒落込んでお酒でも飲んだら

 

実はこの時間がハッピーなんだなあなんて

 

もしかして君大人になりました?

 

大人になったらどこにもいけないのよ

 

ネバーランドには二度と立ち入ることができません

 

 寂しさを集めてオレンジに染まる夕日

 

たいして綺麗でもないけど

 

「月が綺麗ですね」

 

恥じらい乙女は今夜も歩くほかないのです

 

ゆるりゆらりと気づいたら

 

年の瀬に近づいてまいりました

 

あっ 真夜中、朝に溶けちゃった

 

おはようございます

 

朝のリレーはいつも目撃することなく足元に

 

夜は夏が好きで朝は冬が好き

 

おそろいの好きを抱きしめて

 

本年もお世話になりました。 

 

十月の詩

 

温度が数度下がっただけで夏は息をひそめた

まだ夏に別れも告げぬまま

まだ夏を満喫しないまま

まだ夏のせいにしたこと、謝ってないまま

温度が数度下がっただけで、秋 

 

風に散ったオレンジの香り

季節の変わり目に心が動かなくなったから大人

大人になんてなりたくなかった、のに

なんてかわいい台詞だね

 

好奇心をかいたおばけの行進、ゆらり、ふらり

横断歩道の白い線の上だけ歩く、約束ね

つま先に意識したって向かう先は同じなのに 

ありったけの愛が欲しいと願うことは

贅沢ですか

 

幸福の象徴みたいな君に永遠になれないことが 

こんなにも悲しいとは知らなかったので

三マス戻る、戻る、戻る

 

単価の安い言葉に一喜一憂

あっちへカタリ、こっちにゆらり

転がされてるんだけど終着点はどこ

 

月が綺麗な夜に

金木犀の香りのする宵に

ほろ酔い気分の真夜中に

煙草の灯りが同じ色だと気がつきました

 

世界で一番美しい場所ってどこですか

さよならから一番遠い場所ってどこですか

わたしたちの哀しみを寄せ集めた場所ってどこですか

 

答えのないものばかりで嫌になっちゃうから

先生にはなれません

 

時はいつの日にも親切な友達だけど

風化する記憶をいつまでも抱きしめてたい

わたしにとっては天敵かもしれない

 

好きという言葉には一ミリくらいしか

意味がないのだとしたら

好きを千個あつめて貴方に贈ります

 

 甘い香りをまとった雨が

いつまでも優しく降っていてくれたらなあ

温度が数度下がっただけで、秋 

夏のない世界へ ようこそ