星みたく飛行機が飛ぶ明け方
厚底スニーカーとかぎなれた匂い
無理やり終わらせた煙草
火の粉が花火の終わりみたいだった
ここには思い出がひしめき合っていて
だから空ばかり見ている
座ることを想定されていない窓枠に
腰掛けて煙草をふかすとき
僕は宇宙に想いを馳せている
宇宙は僕のことを一ミリも考えてなくて
いてもいなくてもどちらでもいいという
その事実だけが存在しているから好きだ
窓をあけ放せば暗闇が滑り込んでくる
寂しさも悲しみも全て飲み込んでくれるから
安心して絶望できる、というのは
おかしいですか
宇宙から見れば全部一緒だよ
なんてちょっとさみしい僕ら宇宙人
傷の治りが遅いから大人
平気な顔はできるのに
擦り傷だけがいつまでも膝に居座っている
時間なんて目に見えない
不確かなものにとらわれている
この世界の何もかもは不透明で不確かで
不確定だけれど神様、
僕はあなたと宇宙が一番近くて遠いと
思えるから人間でいて幸福だよ