#tanka2

 


住む予定のないアパート見たりして
そこでの春に想いを馳せる。

生きたくも
死にたくもなる
ぬるい夜
これこそが春
わたしの好きな

死なずして貴方の記憶に留まれる
のであればどれ程よかったか

もう二度と会えない距離でいたかった
会えば捨てそびれる恋心

吸い殻の消え損ないが燃えている
最後の恋を燃やすみたいに

飽きるほどいろんな女と花を見る
貴方と桜は一生見ない

哀しみを集めた花束あげたとて
君は知らずに枯らすのでしょう

なりふりを構ってられない恋ならば
いい思い出になっていたのに

五月にてめまいがするほど暑い夏
八月になれば消える運命

電線で分断された満月の半分でさえ綺麗と言えず

散らばった吸い殻みたい
あなたが見て見ぬ振りする
わたしの気持ち

コートを一枚ぬぐたび軽くなる足取り
今日は散歩に行こう

眠れない夜にジムノペディ聴く
君のおかげで眠れない夜

切り取った世界が似ていたから
きっと気が合う僕ら
多分メイビー

雨粒でぼやけた街灯まんまるで
月が並んだ帰りの夜道

笹の葉の窓があるのでエブリデイ
願いあふれるやさしいお家

願わくば枕になりたい
変わるたび眠れなくなる
君の枕に

あっ、ちょっと、
毛布をとられて冷えた手で
君のほっぺたやさしくつねる

信号が赤になったら
サヨナラを告げるんだ
青、青、あお、
あ、赤

指先で、はりついた前髪をすくう
みたいな距離でいたい君と。

一瞥もくれてやらない
「かわいい」とたやすく言えぬ関係につき

「かわいい」と言われた下着を身につける
貴方以外に抱かれるために

しあわせはクリーム色した甘い味なので
糖分とりすぎ注意

ふたりには戻れないから
昼下がり 波打ち際をひとりで歩く

スカートのすそをゆらした
遠い日の僕らおそらく春風だった

雨降りの曖昧模糊たる昼さがり
巻き戻し見た映画のような

期限切れの恋を咀嚼する 誰もいない朝食 君は幻

同じ傷ついてたら嬉しいだとか
思うのは少し悪趣味かな

運命を信じていれば僕たちは
季節みたいに出会えるはずだ

移りゆく季節さながら
生き延びた先の春にて再会しよう

梅雨だって春夏秋冬四季の中
いれてもいいと思うけどどう?

ねむたげな君の手を引き見た海の
青さがきっと青春の色

地中海あたりに住みたい 白い街
黒い猫 わたし 君で暮らす

停滞しているの君もわたしもね
前、後ろ、前、ゆらりゆられて

「何食わぬ顔しないでよ、畳のあとがついてるわ」
「えっ嘘」
「嘘よ」

つづきのつづきの続きをセーブする
貴方のためにしおりを贈る

 

 

 

目を通して頂き誠に有難うございます

また、何処かで。

 

special thanks: なっと