下手くそな愛し方

 

わるいことなんてひとつもしてないけど

いいことも同じくらいしてないから

毎日おばけみたいな顔で息をしている

眠たげな眼差しと黒髪ロングでアンニュイを演出

嫌いなあの子を好きなわたしの好きな貴方が嫌いです

「はやく何処かへ消えてよごめん嘘」

 

君に今好きって言いたい月も見えない真夜中

たばこの煙がゆらいで消える

煙に巻かれてる間だけ君の隣にいられた錯覚

幻想 幻 夢

 

好きの二文字を言いたくて

言えないまま好きの周りを

ぐるぐる ぐるぐる

「遠回り?」「散歩です」

勇気がないから文句も言えないな

「ばかなんじゃないの」「ばかだよ」

無色透明無味無臭

愛してるから愛してほしい

「月が綺麗だね」「知ってるよ」「そっか」

何にも知らないくせに、を飲み込む

言いたかったことの半分も伝わらないし

言えなかったことの半分以上は

誰にも知られないままに消滅していく

本当に伝えたいことだけは

うまく伝わらないようにできていると

野田洋次郎が言っていたので

今日はもう寝ようかな

 

どうでもいいやなんだって

さよならさんかく またきてしかく

もう二度と交わらないかもしれないね

 

好きも嫌いも言えない世界の隅っこ

行き場のない愛が今日も陽の光に透けて

何もなかったみたいな風景

それでいい それがいい 

おしまい