呼吸

 

 

夏の夜は水の中

 

静かで、穏やかに横たわる暗闇

 

無意味になってしまった足元、スニーカー

 

すべては夏のせい

 

「好きって言って」「嫌いじゃないよ」

 

深夜2時押せなかった電話のボタン

 

複雑そうに見えてショートしただけの思考

 

騙すなんて簡単、大人だもの

 

「つまんないなあ」

 

愛想の悪い女より愛想の悪い私が通ります

 

空、電線と平行線で泳ぐ魚 交わらない夏

 

影の中は君と僕のふたりだけ

 

帰り道溶けかかったアイス、水玉模様

 

「わたし流れ星になるために、ベッドで宇宙を漂います。」

 

夜明けの街は5秒だけ時が止まるんだって

 

知ってる? 知らない そっか そうだよ

 

傾いた水槽でする浅い呼吸

 

さよならさんかくまたきてしかく

 

あ、飴玉なくなっちゃった

 

おやすみこわい夢に別れを告げて

バイバイじゃあね、また明日。